「アトリエ喫茶 たろう」~画家、保育資格のユニークなオーナー~
新時代の校友企業 アトリエ喫茶 たろう
「FUKU Ship」イベントでの鈴木さん
建築学科卒業の鈴木さんは、大工職人だった祖父の邦夫さんの仕事場だった建物をリノベーションして、本年春にアートと喫茶が楽しめる「アトリエ喫茶たろう」を開店しました。画家、保育資格というユニークなプロフィールをお持ちで、“画家・絵画教室・喫茶アトリエ運営・レンタルアトリエ運営・オリジナルイラスト販売”を主業務に、オーナーとして、本人・店舗共に人気を博しておられるようです。この度は御寄稿ありがとうございます。
校友の皆さんも、須賀川市にお越しの節は、是非鈴木さん自慢のコーヒーとアート作品を楽しまれてはいかがでしょうか。(店舗:須賀川市西の内町24-5)
~「何かをうみだす」ことが好きだった私は実家が代々、大工をしていたこともあり日本大学工学部の建築学科に進学を決めました。大学時代の所属研究室では、須賀川市にある都市公園の利活用と居場所形成に関する実践的な研究をしていて、地元須賀川市やそこに関わる人々との繋がりは今日も私の活動の軸の一つでもあります。
大学卒業後は建築の道には進まず、地元の団体職員として金融関係の仕事をしていて、2年間そこで仕事をしていたある日、大学時代に知り合った方が運営している児童福祉施設での仕事のお誘いを受け、転職をしました。
子どもたちと関わる中で、何も資格を持っていなかった私は自分自身の学びのためにと独学で保育士資格取得にむけ勉強をして、1度目の試験では筆記科目を1つ落としてしまいましたが、2度目の試験で無事保育士資格を取得できました。
ちょうどその頃元々好きだった絵を時間がある時に描いていて、友人と飲食店に行った際、私の絵の話題になり、そこにいた常連さんや店長さんの後押しがあり、画家の道に進むことを決意。自分でも驚くくらいの急展開でしたが、なぜだかその瞬間に自分の中で「やりたかったこと」はこれだったと思えたのです。決めてからはきちんとお話をした上で児童福祉施設での仕事を辞めさせていただき、日々絵を描いたり、たくさんの人に会ったりして、画家の道に進むことを話しました。
家族や友人からは心配、反対はされましたが25歳の私は「今しかない」ような気がしていて行動を続けました。今思い返すと絵の販売実績もない状態で仕事を辞めましたが、振り切って自分の活動に注力できる大切な決断だったと思います。イベントメインで販売を考えていましたが、この時「須賀川市民交流センターtette(テッテ)」のチャレンジショップという貸しブースで1年間活動できることが決まり、2024年はそこで絵や絵を元にしたグッツを販売して生活をしました。貸しブースは1年間という期間が決まっていたので次の場所を大工である祖父が所有していた空き家をリノベーションして使うことを決めました。ここでも多くの方にご協力いただき、アートを見ながら珈琲をゆったり楽しめる空間「アトリエ喫茶たろう」を2025年3月31日にオープンできました。現在は自分の絵の展示の他に貸しギャラリーとして他の作家さんの作品発表場所としても展開しています。今後も、ご縁があり繋がることができた作家さんを応援できるような場所として、皆様にアートを楽しんでいただけるような空間作りを大切に活動していきたいと思います。~
【写真:イベント時の作品展示1/イベント時の作品展示2/店舗外観/店舗内部1/店舗内部2(反)】