ウェルカムファーム
(田村町徳定)
髙田さん
有限会社カワシマ(コンビニエンスストア)の代表取締役髙田和秀さんは本業の傍ら、「食べ手・作り手・環境よし・・・三方よし農業」を理念に掲げるウェルカムファームの代表取締役でもあります。安積永森駅に通じる永徳橋近くの畑で、2022年(令和4年)から食物残渣を利用したバイオガスプラントを設置し若い社員・アルバイト学生(工学部含む)らと三方よし農業(生産・販売)に取り組んでおり、工学部の先生とも連携されています。
髙田さんはさらに理学療法士・介護支援専門員としても長年経験をお持ちで、疲労の軽減を考慮した農作業の姿勢・器具の研究にも及び、その成果を福島県農業総合センターで講演しておられます。多彩な技能をお持ちの髙田さんに農業分野への進出のきっかけ、やりがい、今後の抱負などをお聞きしました。ご協力ありがとうございました。
ウェルカムファームの想い
私は福島県郡山市で、農薬や化学肥料、除草剤を使わずに野菜を育てています。ウェルカムファームという小さな畑から、「食べる人の身体にやさしい野菜」を届けたいという想いで、日々 土・野菜と向き合っています。
農業を始める前は、理学療法士として20年以上、人の身体を支える仕事をしてきました。その経験から、人の健康は食や自然と深くつながっていることを強く感じるようになりました。だからこそ、安心できる食べ物を自分の手で作り、必要としている方のもとへ届けたいと思うようになりました。
畑の仕事は楽しい反面、体への負担もあります。ですが、理学療法士として学んだ「身体を守る動き方」や「無理をしない工夫」を取り入れながら、年齢や体の状態に関わらず、誰もが気持ちよく働ける農業を目指しています。
高齢の方や障がいのある方も一緒に関われるような、優しい畑づくりを少しずつ進めているところです。
そしてもう一つ大切にしているのが、「腸から元気になる食」です。腸内環境を整えることは、身体だけでなく心を整えることにもつながります。そのために、私は漬物などの加工によって微生物を取り入れ、食べる人の腸と健康に貢献することを大切にしています。
発酵の力で生まれる微生物の恵みは、腸の働きを整え、心と身体のバランスを支えてくれます。野菜本来の良さと、発酵の知恵を組み合わせることで、日々の食事から自然に健康を支えられる。そんな加工品づくりにも取り組み、より多くの方に“腸から元気になる食”を届けたいと考えています。
子育て世代のお母さんや妊婦さん、小さなお子さんにも、安心して食べてもらえるように。そして、食を通して「家族の笑顔」や「地域のつながり」が広がっていくように。そんな想いを込めて、一つひとつの野菜を丁寧に育てています。
私が大切にしているのは、畑と食卓をまっすぐにつなぐこと。野菜を育てる人と食べる人、お互いの顔が見える関係をつくりたいと思っています。
「この野菜を食べると元気が出る」「作った人の想いが伝わってくる」――そんな言葉をいただけることが、何よりの喜びです。
これからも、土の力、微生物の力、人のつながりを信じながら、心にも身体にもやさしい農業を続けていきます。ウェルカムファームが、みなさんの「元気のもと」になれるように。そんな想いで、今日も畑に立っています。
●Instagram:ウェルカムファーム(@welcomefarm_info)
【写真:収穫されたトマト/トマトの収穫】





