アカシア文庫入庫のお知らせ

株式会社住環境再生研究所の代表を努められる井上さんは、大学時代の「恩師との出会い」を現在に至るきっかけだったと振り返られています。御寄稿と共に多くの共著作品を校友会の“アカシア文庫”に御寄贈いただきました。御礼申し上げます。

～思いもかけないところから、連絡を頂いた。古稀を迎える年に、母校の校友会からである。1972年（昭和47年度）第20回の卒業生となるらしい。在籍していた約50年前の状況を思い出している。私の生まれ育ちは広島の田舎で、東北の都市郡山にお世話になった。

大学正門前の下宿に居を定め、足で単位を稼ぐ学生生活の4年間をスタートさせた。今考えると、この下宿生活が、私のその後の社会生活、対人関係に大変大きな影響を与えた。下宿は常に総勢11人で、専攻も、クラブ活動もまちまちで、各人四畳半の個室ではあるがドアに施錠はしてはならないの方針のもとに、喧々諤々、和気あいあい、と過した年月が忘れられない。毎年先輩を送り出し、後輩を受入れ、各学年をその立場で経験し、同じ釜の飯を食した仲間たちはあわせて二十数人、現在も元気で、時々東京や、郡山で懇親会を開いている。

私の専攻は建築学科で、生涯の仕事を決める出会いもこの工学部で得た。卒業研究課題の指導をしていただいたのは松島俊之教授で、当時、日本建築士会会長で理工学部校友会会長も兼ねられていたように思う。そして、横浜に横浜建築計画研究所を主宰されていた。そこに職を得たことが建築の設計・監理の道に進むきっかけとなりこの歳まで歩むことになった。

そののち、自ら設計事務所を開設し、専門学校の非常勤講師などを兼務しながら現在に至っている。講師時代に生徒向けの参考図書を作成したことから出版社と付き合いが始まり、各専門の先生方と共著のかたちで図書をあらわすことになった。共著の先生方も80数名におよび、現在も建築設計・監理という仕事柄、これらの先生方から多大な助言や協力を得ている。 「人生は、人との出会いで決まる。」といわれる。それを育んでくれたのは郡山、日大工学部の環境であったと思う。～

■（株）住環境再生研究所

『１級土木施工学科試験徹底図解テキスト＆問題集』他13冊